チタンの鏡面研磨は、ステンレスと比べて注意すべき点が多い素材です。材質グレード・加工履歴・形状の3つの要因で仕上がりが大きく変わるため、事前の情報整理が見積もりの精度に直結します。
ステンレス(SUS304/316L)の電解研磨は処理条件が確立されており、安定した仕上がりが得やすい工法です。一方、チタンには以下のような固有の難しさがあります。
電解研磨での対応が比較的進めやすいグレードです。TP270(JIS 1種)は軟質で加工性が良く、TP340(JIS 2種)はやや硬度が高くなります。
グレードによって仕上がりの傾向が変わるため、材質証明書や規格名があると対応可否の判断がスムーズになります。
合金元素の種類と含有量で処理条件が変わります。特にTi-6Al-4V(通称64チタン)は高硬度で、純チタンとは研磨の挙動が大きく異なります。対応可否は個別に確認が必要です。
こうした理由から、チタンの鏡面化では試作段階での確認が重要です。量産前に小ロットで仕上がりを検証し、品質基準を合意してから本生産に進める方法を推奨します。
チタン電解研磨は処理槽に浸漬して行うため、処理槽に収まるかどうかが対応可否の基本的な判断基準です。大型品で処理槽に入らない場合は、分割処理や現地対応の可否を検討します。
平面や単純な曲面は安定した仕上がりが得やすい一方、以下の形状は注意が必要です。
形状制約の詳細はサイズ・重量・形状制約もあわせてご覧ください。
「チタンを鏡面にしたい」という相談をいただく際、何をもって合格とするかを明確にしておくと提案の精度が上がります。以下の3つの観点で整理することをお勧めします。
見た目の鏡面を指しているのか、数値管理(Ra)まで必要かで工法と難易度が変わります。「こういう仕上がりにしたい」という見本写真や参考品があると、目標の共有が確実です。
清浄性、耐食性、反射率、真空性能など、用途に紐づく機能要求がある場合はその情報が重要です。外観だけでなく機能要件がある場合、表面粗さ(Ra)の目標設定が必要になります。
微小キズ、ムラ、色味差のうち、どこまでを許容するかの基準です。チタンはステンレスに比べて仕上がりのばらつきが大きいため、許容範囲を事前にすり合わせることがトラブル防止につながります。
純チタン・チタン合金のグレードや形状に応じた研磨条件をご案内します。
ステンレスより難易度の高いチタン研磨も、特許技術で対応。
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