バフ研磨とは、研磨材を含浸させた布やフェルト(バフ)を回転させ、金属表面を機械的に磨いて光沢を出す仕上げ。外観の改善やキズ取りに広く使われ、条件が合えば鏡面仕上げも可能です。
ステンレスをはじめとする金属全般に適用でき、製品の外観品質を高めたい場面で採用例の多い工法の一つです。
バフ研磨で鏡面仕上げは可能です。ただし、鏡面の品質は対象の形状・面積・素材状態によって大きく変わります。
バフ研磨は手作業の要素が大きく、作業者の技量や条件設定で仕上がりが変動します。均一な鏡面を広範囲で安定させるには、経験と管理が求められます。
「バフ研磨と電解研磨、どちらを選べばよいか」という質問は多くいただきます。この2つは「どちらが良い」というものではなく、目的に応じて使い分けるものです。
| 比較項目 | バフ研磨 | 電解研磨 |
|---|---|---|
| 原理 | 機械的に削って光沢を出す | 化学反応で溶かして平滑化する |
| 光沢・外観 | 強い鏡面反射が狙える | 落ち着いた均一な光沢 |
| 清浄性 | 研磨材の残留リスクあり | 化学反応のため清浄性が高い |
| 耐食性 | 表面改善のみ(被膜形成なし) | 不動態被膜の形成を促進 |
| 形状対応 | バフが当たる範囲に限定 | 液中反応で奥・内面にも作用 |
| キズ・段差の除去 | 機械的に削れるため対応可能 | 溶解量が少なく対応しにくい |
外観(見た目の鏡面)を優先するならバフ研磨、清浄性・耐食性・均一性を重視するなら電解研磨が向いています。外観と清浄性の両方を求める場合は、バフ研磨→電解研磨の順で併用するケースもあります。
| ステンレス | SUS303・SUS304L・SUS316L・SUS310S・SUS329J4L・SUS430・SA240TP340 |
|---|---|
| チタン | Ti_2種・Ti_1種・Ti_JIS60種 |
| アルミニウム | A5052・A2014-T13・A2027・A3003 |
| 合金・炭素鋼・合金鋼 | ハステロイC-22・インコネルI-600・カーペンター C-20・低炭素鋼・クロムモリブデン鋼SCM440 |
| その他の非鉄金属 | タフピッチ銅 C1100 |
| 特殊金属 | 純モリブデンMo 純タングステンW |
| 複合処理 | クロムメッキ(前後処理) アルマイト(前処理) |
バフは回転する研磨工具です。当て方や圧力の偏りでムラ・当たり痕が発生する可能性があります。曲面や段差がある箇所は特に注意が必要です。
見た目が鏡面であっても、Raの測定値が低いとは限りません。バフ研磨は表面を"磨いて光らせる"処理のため、微視的な凹凸パターンが残ることがあります。
三和産業の実測データでは、バフ研磨でRa 0.017μm / Ry 0.151μmという仕上がりを実現しています。ただし、Ry(最大高さ)が0.151μmと比較的大きい点は、微視的な凹凸が残りやすいバフ研磨の特性を示しています。
Ra値まで管理が必要な場合は、目標値を事前にすり合わせることが重要です。
バフ研磨後の表面には、微量の研磨材や油分が残留する可能性があります。半導体装置や医薬品設備など、表面の清浄性が求められる用途では、電解研磨との併用や電解研磨のみの仕上げが安全な選択肢です。
「鏡面にしたい」「キズを取りたい」など、目的に合わせた番手選定と仕上がりの目安をご案内します。
電解研磨との組み合わせもご提案可能です。